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連載:地球温暖化の「今」と21世紀

地球温暖化の「今」と21世紀(9)

2015/2/1

2015年・COP21に向けて

昨年12月1日~14日、国連気候変動枠組条約締約国会議COP20が開催されました。

COP20

この会議を受け、今年末に開かれるCOP21で、京都議定書以降、つまり2020年以降の気候変動に関する新しい国際枠組みが合意されることになります。

COP21は、「温暖化」に決定的な意味をもちます。もし、この国際会議で充分な合意ができなければ、私達の地球が絶望的な状況に追い込まれることは必至です。

では、COP20では、どのような事が議論され、どのような事が合意されたのでしょう?
政府・マスコミ・環境団体などからの情報をもとにして、ご紹介したいと思います。

おもな参考資料

  1. 環境省HPより  http://www.env.go.jp/earth/cop/cop20/index.html
  2. 国際環境保全団体・WWFのHPより http://www.wwf.or.jp/activities/2014/12/1239514.html
  3. 日本の環境団体・気候ネットワークのHP  http://www.kikonet.org/international/unfccc/cop20/

COP20のおもなテーマは?

中心的に議論されたテーマは、次の2点にまとめれらるかと思います。

  1. 温室効果ガス排出削減の国別目標は、どうあるべきか?
  2. 新しい国際枠組みを、どんな「要素」で合意するのか?

「要素」とは、合意内容を構成するいくつかの項目を意味しています。
温室効果ガスの排出削減・気候変動に適応していくための方策・温暖化対策のための資金・気候変動に対応するための技術開発等々があります。

これまでの国際枠組みは、京都議定書で決められていました。
(「京都議定書」は、1997年のCOP3で採択されたもの)
その中心は、先進国が温暖化ガス排出をどれだけ削減するか、にありました。
先進国と開発途上国には「共通だが、差異ある責任」がある、という原則に基づいて決められたものでした。

そして、2008年から2012年までの期間に、1990年に比べて、少なくとも5%削減することが決まり、これに基づいて、先進各国に国別目標が割り当てられました。
例えば、西欧のおもな国々は8%アメリカは7%日本やカナダなどは6%の削減率でした。
(この後、アメリカやカナダが京都議定書から離脱しました。)

「京都議定書」から18年・・・・・状況の変化が反映した会議

京都議定書採択から18年目を迎える今、「地球温暖化」が抱える状況は一層深刻になっています。
2013年~2014年にかけて開催されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)総会では、自然科学の知見、人類や生態系への影響、温室効果ガスの削減方法、「温暖化」被害への対応策等が報告され、気候変動への「野心的な」取り組みの緊急性が各国に呼びかけられました。

また、この18年間で、これまでのような「先進国対途上国」という図式も変化してきました。
例えば、途上国の中にも、先進国並みに開発の進んだ韓国や、
急激な経済発展のために排出量がうなぎ上りの中国のような国々もあれば、
一方、開発が進まず、「温暖化」の影響がより深刻化している国々もあります。
こうした国々では、先進国からの資金援助も切実さを増しています。
「共通だが、差異のある責任」という原則を巡って、激しい議論が続いてきました。

だからこそCOP20では、新しい国際枠組みのための懸命の努力と知恵とが求められたのです。
「温暖化ガス削減」だけでなく、「気候変動」による被害に「適応」してゆくための方策や資金なども、重要な「要素」として話し合う必要があったのです。

また、国別削減目標も、京都議定書とは異なった方法で決められます。
京都議定書が、決められた削減率を割り当てたのに対し、
COP21では、各国が削減目標を自主的に決めて提出するのです。
果たして、その集約結果は、求められているだけのものになるのでしょうか? 当然、そのことを検証する必要性も出てきます。

地球全体の削減目標は、
産業革命以前からの気温上昇を2℃以内に抑えるに足るものでなければなりません。
(「2℃以内」という目標は、2009年のCOP15で合意されたもの)

また、国別目標案も、その提出は2015年3月まで、と決められています。

削減率の基準とする年は、どうするのか?
各国の削減目標の達成年は、どうするのか?
各国から出された目標案を公平に評価するには、どうしたら良いのか?
・・・・・・・・・・・・・

COP20には、こうした作業を国々の思惑の中で調整するという、大変なテーマがあったのです。

COP20で合意されたこと

COP20

COP20では、「気候行動のためのリマ声明」という文書が採択されました。その一部分は、政府文書やマスコミ、環境団体HPなどで紹介されていますが、全文は日本語訳されていません。(1月14日現在)

全容は把握できないのですが、いろいろな情報から判断してみると、少なくとも、次のような合意がみられたようです。

  1. 削減目標については、各国から提出された草案をWebサイトに掲載する。
  2. 各国から提出された草案を総計した効果については、2015年11月1日までに「統合報告書」を作成して報告する。
  3. 途上国の対応策として必要な資金援助などの「要素」については、検討をしてゆく。

日本政府の対応は?

COP20には、望月環境大臣を始め、外務・経済産業・環境・財務・文部科学・農林水産・国土交通等の各省から関係者が出席しました。 望月環境大臣の閣僚級会合での発言も公開されています。

望月発言を読んでみると・・・・、やはり具体的な削減目標に触れてはいません。
国際レベルと比べると、かなりの消極性が感じられます。
「削減目標」に関する発言部分を引用しましょう。

我が国の約束草案については、
COPの決定各国の動向や将来枠組みに係る議論の状況エネルギーミックスに係る国内の検討状況を踏まえて検討しできるだけ早期に提出することを目指します(下線・太線は筆者による)

EU(欧州連合)では、昨年10月に「2030年までに1990年比で40%削減」という目標で合意しました。その際、議長国のフランス大統領は、
「欧州での合意が得られずに、どうして中国や米国を説得できるのか」と述べています。

また、11月には、オバマ大統領と習近平国家主席の会談で、2020年以降の削減目標などについて合意されました。
アメリカは2025年までに2005年比で26~28%、中国は総排出量を2030年までにピークとし、そこから削減してゆく、という内容です。

EUにもアメリカにも、「他国に率先して」という姿勢が見てとれます。
日本政府にも、今年3月までに「野心的」な削減目標を出して欲しい、という国際世論を真正面から受け止めて欲しいと思います。

ことしはCOP21が開催されます。
COP20での貴重な合意をもとに、可能性を追究しなくてはなりません。
子供達や孫達の世代のためにも、世界の世論、国内の世論をもっと大きくしていくことが求められていると思います。

(文責 副理事長・吉田雅人)

 
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