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連載:地球温暖化の「今」と21世紀

地球温暖化の「今」と21世紀(6)

2014/11/1

世界の変化は始まっている!

変化は、始まっている。
解決策はある。レースは始まった。さあ、先頭に立とう。

このフレーズをご存じですか?

去る9月23日に開催された国連気候サミットの成功を呼びかけた国連からの「メインメッセージ」です。
このサミットは、国連・潘事務総長の主催によるもの。メッセージには、熱い意気込みが感じられます。

この連載も今回が6回目です。 過去の5回は、いずれもIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の「第1作業部会報告書」の内容をお伝えしてきましたが、今回は、ホットなニュースを取り上げる必要性を感じました。
  「地球温暖化」への、世界の動きに対して「井の中のカワズ」ではまずいからです。

9月21日、気候サミットが開催されるニューヨークには40万人が集まり、気候変動対策を訴えるマーチ(デモ行進)が開催されました。

その時の様子を、是非こちらの動画でご覧下さい。
http://peoplesclimate.org/
凄い盛り上がりです。
この行動は、全世界で行われ、計50万人が参加したと言われています。

私達の国でも行われたのでしょうか?
報道を見る限り・・・・・・そのような気配は感じられません。

やはり、「井の中のカワズ」では、まずい!

では、この気候サミットの目的は? 会議の成果は?

ネットで発信されている情報を、整理してみたいと思います。

気候サミットの目的

国連の「広報センター」HPから、「目的」にあたると思われる部分を引用します。

潘基文国連事務総長は、9月23日に開催する「気候サミット」に政府、金融、企業、市民社会のリーダーを招待しています。
事務総長はサミットにおいて意欲的な声明や行動計画を示すようリーダーに求めており、排出量削減を促し、気候変動に対するレジリエンスを強化し、政治的意思を結集することで、2015年12月のパリ気候変動会議(COP21)における意義ある法的な合意につなげたいとしています。

(筆者注)「レジリエンス」=困難な状況にもかかわらず、しなやかに適応して生きのびる力。

気候サミットの目的と主旨は、要約すると次の2点になりそうです。

  1. 来年12月に予定されているCOP21(2020年以降の新たな国際的枠組みを決める会議:筆者注)を成功させるために、「温暖化ガスの排出量削減」と「気候変動に対するレジリエンス強化」に関する政治的意思を結集すること。
  2. そのために、各界リーダーは意欲的な声明や行動計画を示すこと。

気候サミットには、122カ国の首脳が参加しました。
日本からは、安倍首相が参加。
また、日本のNGO(非政府組織)では、唯一「気候ネットワーク」が招待されています。

気候ネットワークHP http://gooddo.jp/gd/group/kikonet/

気候サミットの成果

では、この目的に照らした時、今回の気候サミットの成果はどのようなものだったのでしょう?

この点では、国連・潘事務総長が、閉会の辞として述べている「会議の総括」と、日本から参加した、NGO気候ネットワークの声明が、先ずは重要だと思われます。

 潘事務総長の閉会の辞
http://www.unic.or.jp/news_press/messages_speeches/sg/10341/

 気候ネットワークの声明
http://www.kikonet.org/info/press-release/2014-09-24/UN-climate-summit

総じて、今回の気候サミットは、かなり前向きな会議だったようです。

氏は、閉会挨拶の冒頭で
きょうは素晴らしい、歴史的な日となりました。」と述べ、
これほど多くの指導者が一堂に会し、気候変動への対策を約束したことは、未だかつてありません。
と概括しています。

また、気候ネットワークの声明の冒頭にも、
「・・・122ケ国の首脳が参加する、これまでの気候変動問題に関する最もハイレベルな会議となった。
とあり、この会議の内容を高く評価しています。
では、具体的にはどのような成果や特徴があったのでしょう?

上の二つの文書やマスコミ報道などからは、次の2つのことが強く印象づけられます。

1.アメリカと中国が、CO2排出削減に積極的な姿勢を示した

勿論、多くの国から、CO2の排出削減にかんする積極的な発言があったのですが、中でも注目されるべき演説は、アメリカ・オバマ大統領のものでしょう。

オバマ氏は中国に、「米中は世界の2大経済・排出国として、温暖化対策を主導する特別な責任がある」と呼びかけ、このサミットの直前に中国代表(張副首相)と協議をしています。

そして、演説の中でも、「クリーンエネルギーに野心的な投資をして、野心的な排出削減に取り組む」と述べ、来年早々に、削減目標を発表することを誓いました。

また中国の張副首相も、可能な限り早く、排出のピークを迎えることを表明しました。
つまり、中国で増えつづける温暖化ガスを、どこかで頭打ちにする、そのピークの年を発表すると表明したのです。

この「排出2大国」の動向は、注目に値します。

両国の排出量そのものが大きいからだけではありません。

気候変動への全世界的な動きを促進していく役割を担う事にもつながるからです。
各国の中にある、「自国が動いても他国が動かなければ、自国が経済的な不利益をこうむる」という消極的な態度を払拭していくことにつながっていって欲しいと思います。

2.途上国の対策を支援する「グリーン気候基金」が強い支持を得た

グリーン気候基金」は、途上国の気候変動対策を支援するための基金です。

今回の気候サミットでは、ドイツ・フランス・スイス・韓国などの国々や、金融業界等から、この基金への資金拠出が表明されました。

この基金には、たいへん重要な役割があります。

例えば、温暖化のために海に沈みつつある太平洋の小さな国々(ツバルなど)を見てみましょう。
海面上昇による洪水が日常化し、すでに井戸水や主食のイモが駄目になりつつあります。
そして、祖国の島さえも消えてなくなろうとしているのです。

これらの途上国には、それに対するインフラや技術そのものに充分な準備がありません。
もともと、自給自足に近い生活をしてきた国々です。
「温暖化」には、全く責任がありません。
にもかかわらず、国の存続が危ぶまれているのです。
「先進国」の責任として、十分な額の資金拠出が求められるのは当然だと思います。

ですから、今回の会議で多くのリーダーからこの基金への強い支持が表明されたことは、とても心強いことです。

安倍首相発言の評価

では、私達日本の首相は、この気候サミットでどんな役割を果たしたのでしょう?
首相官邸のHPに演説の全文が掲載されています。短いものですから、是非、目を通してみて下さい。

 安倍首相のスピーチ
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0923summit_speech.html

参考までに、気候ネットワークの声明から、安倍スピーチの評価に関する部分を引用します。

これに対し、安倍晋三首相の演説は、すでにとってきた行動のPRと、具体性に欠ける途上国支援を打ち出すことにとどまった。2015年3月までに求められる中期目標に関しては提出時期を示せず、途上国支援のための基金への拠出も表明しなかった。
サミットで期待されていたことに何も答えられておらず、大きく失望するものだった。

日本国民として、恥ずかしい限りです。

今回の気候サミットが、全体として大きな成果を得ることができたことに励まされ、私達も日本で何ができるのか、あらゆる工夫をこらして行動に移してゆくべき時にきているように思えます。

(文責 副理事長・吉田雅人)

 
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