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連載:地球温暖化の「今」と21世紀

地球温暖化の「今」と21世紀(4)

2014/9/1

異常気象と温暖化

列島を襲う局地的な豪雨が大規模な土砂災害を引き起こしました。
一刻も早い被災者の救助を願うばかりです。

一方、カリフォルニアでは干ばつ危機。インド北部では大雨。
「異常気象」が世界中で猛威をふるっています。一体、21世紀はどうなってしまうのでしょうか?
ここでも、「温暖化」との関連を、現在の科学の到達点に基づいて理解しておく必要がありそうです。

「温暖化」が、「異常気象」に及ぼす影響

高温・大雨・豪雪・乾燥などの「異常気象」は、世界各地で普通に起きる現象です。
数十年に1回程度起きることは、自然そのものの「揺らぎ」であり正常な現象と言えます。
ですから、これらの現象全般を「温暖化」と結びつけるのは妥当ではありません。

また、数十年くらいの統計では、「自然の揺らぎ」なのか「温暖化」による現象なのか、そもそも判断が難しいことも事実です。

これらを前提にした上で、今、科学者達は、
温暖化は、その異常気象が起きる頻度、程度の問題で変調をもたらしている”と見ているのです。
温暖化によって、異常気象の「頻度」と「程度」が激しくなっていると考えられているのです。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)では、近年に頻発している「異常気象」を、
極端な気象および気候現象」=「極端現象」と表現しています。
そして、今回の報告書では、「極端現象」についてこんな指摘がされています。2箇所を引用します。

【大気・気温に関して】
・・・ほとんどの陸域で日々及び季節の時間スケールで極端な高温がより頻繁になり、極端な低温が減少することはほぼ確実である。熱波の頻度が増加し、より長く続く可能性が非常に高い。たまに起こる冬期の極端な低温は引き続き発生するだろう。

【大気・水循環に関して】
・・・地域的な例外はあるかもしれないが、湿潤地域と乾燥地域、湿潤な季節と乾燥した季節との間での降水量の差が増加するだろう。

IPCC第5次評価報告書第1作業部会報告(気象庁訳:PDF)

極端な高温と熱波

IPCCは、21世紀には猛暑熱波がより頻繁になり、強度を増し、長期化する可能性が非常に高いと予測し、世界のほとんどの地域で「20年に一度起こるような猛暑」が、21世紀末までには「2年に一度」の割合で起こる可能性を指摘しています。
21世紀になってから、ヨーロッパが熱波に見舞われたことは記憶に新しいと思います。

2003年の熱波によって、フランスでは15000人が亡くなりました。
フランスでは急遽、熱波に対する予防対策を講じました。
熱波に対する意識の向上は勿論、監視システム、医療機関の熱中症治療ガイドラインの作成、脆弱な人達の特定と訪問プラン、そして、インフラ整備などです。
2006年にヨーロッパを襲った熱波の時には、こうした対策が効果をあげたと考えられています。
「熱波」に限らず、異常気象への対応では、フランスの経験から大いに学ぶべきでしょう。

豪雨と干ばつ

大気中の水蒸気は、気温が1度上がると、7%増えると言われます。
ですから、「温暖化」は必然的に降水量の増加をもたらすことになります。

しかし、世界中で一様に、降水量が増えるわけではありません。
「降水」には、気温だけでなく、その地域が、海に近いか・内陸か、また山脈のような地形が有るか・無いか、偏西風や貿易風の影響等々、様々な自然の要因が働くからです。

「乾燥した地域」では、干ばつの頻発も予測されています。
降水が少ないにもかかわらず、地表からの蒸発量が増していくからです。

そうした結果、IPCCの報告にあるように、「地域差」と「季節差」が生じることが予測されるのです。

日本では?

IPCCの報告には、直接「日本」についての記述はありません。
しかし、環境省などの資料によれば、日本では、年降水量の増加は小さいのですが、大雨の頻度が増し、逆に、雨の降らない日が増えるだろうと予測されています。
特に、梅雨期の大雨は今後も一層の警戒が必要だと言われています。

環境省:日本国内における気候変動による影響の評価のための気候変動予測について(PDF)

大雨との関連で、もう一つ気になるのが「台風」です。
温暖化によって、海面の温度が上昇します。
すると、海面付近の気温と、台風上端の大気の温度との差が大きくなり、台風の最大風速は増加すると考えられています。
最近の台風の観測結果からは、台風の数や頻度は増加していないのですが、極端に強い台風の数は増加していることが分かっています。
先日の台風11号に留まらず、今後も、台風の威力は強まっていき、今までに経験したことのないような豪雨や強風が起こる可能性が高いと言われています。

 

「極端現象」は、その予測が難しく、まだまだ未知の部分が大きい分野です。
21世紀は、「大幅なCO2削減」と「異常気象への対応」の両面が切実に求められる時代だと言えそうです。

(文責 副理事長・吉田雅人)

 
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