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連載:地球温暖化の「今」と21世紀

地球温暖化の今と21世紀(35)

2019/2/1

「COP24カトヴィツェ会議」報告会に参加して

1月28日午後、私(副理事長・吉田)は、CANJAPANの主催する「COP24カトヴィツェ会議報告会」に参加してきました。「温暖化」への国際的な状況をより深く学ぶためです。
CANJAPAN」は、日本で気候変動に取り組む13団体から構成される組織。国際会議に出席したり、「温暖化」の政策を発表したりすることを中心に活動しています。会場には、マスコミ関係は勿論、大学、経済界、政府関係など多数の方が参加していました。

COP24カトヴィツェ会議報告会

今回は、この報告会の概要を、私なりの言葉でお伝えしようと思います。

COP24カトヴィツェ会議の成果

この会議は、2015年のCOP21で採択され、2016年に発行したパリ協定の、具体的なルールを決めるためのものでした。
パリ協定は、2020年からの取り組みを決めた協定です。COP24が成功しなければ、歴史的なパリ協定も宙に浮いたままになってしまう、という瀬戸際での会議でした。
やはり、「先進国」と「途上国」の意見が対立して難航しました。しかし、それでも、ぎりぎりの所で一致点を生みだしたのです。

それは、「先進国」も「途上国」もすべての国に、共通のルールを適用するというものでした。
各国が、自主的に決めて提出する「国別目標」に、共通のルールが適用されたのです。

しかし一方で、その「ルール」を適用する際に、国によっては、柔軟性を持って良い、緩やかに適用して良い、ということも謳っています。しかし、その「柔軟性」を適用する国が増えていったのでは、パリ協定の効力が発揮できなくなります。そこで、「柔軟性」を適用する場合には、私たちの国には、なぜ「柔軟性」が要なのか、「柔軟性」をいつまでに改善するのかということも併記するよう謳われました。
こうしたギリギリの一致点のお陰で、全ての国が参加できるルールができ上ったのです。
このことは、評価されるべきだといえるでしょう。

2020年までに各国が目標を引き上げることが必至

しかし、こうした交渉だけでは、実際の行動が進みません。
パリ協定で提出された各国の目標を合わせても、今世紀末には「3℃」の気温上昇が予測されているのです。
(以下のグラフや表は、すべて「報告会」資料からの転用)

100年後は3度の上昇予測

更に、昨年10月に発表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の特別報告では、気温上昇を1.5℃に抑えるためには、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする必要があることが強調されたのです。

パリ協定が実施される2020年まで手をこまねいていたら、もう間に合わない所にきているのです。
2020年までに、各国の自主的な目標を、どうしても引き上げることが求められているのです。
このことは、パリ協定の時からすでに分かっていたことでした。
ですから、パリ協定が採択されたCOP21では、「2020年までに国別目標を再提出もしくは更新すること」が決められたのです。

そこで、前回のCOP23では、議長国だったフィジーを中心に、昨年1年間を通して「タラノア対話」を推進しようという方法が提唱されました。この「対話」は、各国が自分の国のストーリーを語り、目標を引き上げるための話し合い(「交渉」ではない)す。この「対話」を一年間かけて積み上げてきたのです。
COP24は、このタラノア対話の集大成の場でもありました。
(下の写真は「タラノア対話」の会場)

タラノア対話の会場

アメリカ「トランプ政権」の落とした影

こうした努力はあったものの、パリ協定が採択されたCOP21と比較すると、アメリカが「脱落」した意味は大きかったようです。COP21では、脆弱な途上国やEUが、アメリカと手を組んで「野心同盟」を結成し、最終版の状況をドラマチックに変えました。この力が、パリ協定の採択に大きな影響を与えたのです。

しかし、今回、「野心同盟」にアメリカは参加せず、日本等も不参加という状態が生まれました。
結果、「野心同盟」は、COP21の時のような牽引力を発揮することができませんでした。
「削減目標を強化せよ」というメッセージを明言することができず、不十分に終わったのです。

COP24後の各国、そして日本に求められること

COP24後の各国に求められていることは、次の2点に絞られるようです。

  1. 2020年までに「国別目標」を再提出すること。
  2. 2019年9月に予定されている「気候サミット」に向けて、削減目標強化を明言すること。

下のグラフは、「国別目標」を引き上げることへの各国の現状をまとめたものです。
(「NDC]=「国別目標」)

国別目標(NDC)を引き上げることへの各国の現状

57%の国が、「国別目標」引き上げを検討しているか、開始する予定でいます。
日本は・・・・・・・・・・勿論、検討する姿勢を表明していません。

COP24の場でも、日本政府は存在感がなかったと言われています。
環境相のスピーチも、今緊急に求められていることに対しての言及が一切なかったということです。
下の資料に示されていますが、日本の気候政策は、「60カ国中49位」。
日本の石炭火力政策は、「G7最下位」です。

日本の気候政策評価「かなり不十分」

日本政府は、2050年までに温室効果ガスを80%削減するという長期目標を掲げています。
しかし、今の政権になってからは、「2013年比で2030年までに26%削減」というレベルに、目標を実質的に引き下げているのが実情です。ベースロード電源としてあくまでも「石炭」と「原発」に固執しているからです。未だに、「石炭」にしがみついている国は世界に類を見ないのに、です。
しかも、海外にまで石炭火発を輸出しようとしているのですから、COP24の会場でも、日本政府に厳しい声が挙がりました。

日本に向けられる厳しい目・批判

横断幕にストレートに日本語で批判が書かれているだけではありません。
左下の写真には、日本政府の言う「Lead the world forward」をもじって、「Lead the world backward」というスローガンが掲げられています。
日本国内のマスメディア等を見ていると分からないのですが、国際舞台では、日本のエネルギー政策への批判が渦巻いているのです。

下のグラフは、日本のNGOが政府に提示している要望です。
「2030年までに26%削減」を「2030年までに40~50%削減」に引き上げるべきだ、というものです。

2050年の脱炭素化を目指す明確なビジョンと目標の策定

再生エネルギーへの大転換を図らなければ、日本は今後、経済成長も臨めない国に落ちてゆくだろうとも言われています。今年9月の気候サミットに向けて、日本政府の目標を引き上げてゆくための働きかけが、世界からも、私達日本国民に求められているのです。

(文責:副理事長 吉田)

 
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