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連載:地球温暖化の「今」と21世紀

地球温暖化の今と21世紀(34)

2019/1/1

COP24の結果と日本

明けまして おめでとうございます。
昨年12月16日、会期を一日延長してCOP24(第24回気候変動締約国会議)が閉幕しました。

3人の孫たちにも、他の誰にも、私たちの失敗のために苦しめたくない。
もし深刻な気候変動が私たちから彼らへの遺産になるなら、彼らは私たちを許さないだろう

国連のグテーレス事務総長のこの言葉は、COP24が世界のゆくえを決める転換点であったことを告げています。
COP24には、1997年に制定された「京都議定書」に代わって、2020年から「パリ協定」の下で、各国の取り組みを国際的に点検し、推進し、目標を引き上げていくための法的拘束力を持つ「実施ルール」の策定が託されていたのです。

しかし、会議は難航しました。
「京都議定書」の時には、CO2排出に歴史的な責任を負っている「先進国」だけに排出削減が義務づけられましたが、それから20年以上経った今、「途上国」も、様変わりしました。

「途上国」には、中国やインドのように世界有数の排出国も含まれています。
また、CO2を排出していないにも関わらず、温暖化の被害を被っている脆弱な「途上国」もあります。
こうした変化の中で、経済的に発展を遂げてきた「先進国」の果たす歴史的な責任も、以前より複雑になっています。「先進国」には、「排出削減」だけでなく、被害に遭っている「途上国」への資金や技術の支援を果たすべきだという声も大きくなってきているからです。

また、「京都議定書」では、「先進国」に「削減目標」が一律に割り当てられましたが、今回は、各国が自主的に「国別約束」を提出する方法を採っています。そのために、締約国同士が互いに納得できるような公平性が求められているのです。

「途上国」と「先進国」が共通のルールで排出削減

交渉の結果、最大の対立点であった、「すべての国に共通のルール」を適用するか、「途上国には別のルール」を適用するかでは、「すべての国に共通のルール」が義務付けられることになりました。
各国が国連に提出する「国別約束」では、目標の透明性や理解を高めるための情報などを共通のルールに基づいて提供することになったのです。
しかも、「国別約束」に掲げる国別目標は、「排出削減目標」のみとなりました。
「途上国」が主張していた、先進国からの資金、技術援助などは組み込まれなかったのです。
これに対しては、「『共通だが差異ある責任』という原則をないがしろにする体制が作られようとしているのではないか」(エジプト)などの不満が噴き出しました。

「IPCC1.5℃特別報告」の評価を巡る紛糾

10月にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が出した「1.5℃特別報告書」。
パリ協定の「2℃未満に抑え、1.5℃未満に抑える努力をする」という目標の重要性を科学的に裏付け、「1.5℃」未満に抑えるために、社会経済の大きな変革を呼びかける内容でした。
会議の中で、この報告書の内容を「歓迎する」と、合意文書に明記することが提案されました。
殆どの国が賛同したのですが、アメリカ、ロシア、サウジアラビア、クウェートの4ケ国が反対したために、盛り込まれなかったのです。
アメリカは「報告書の内容を承認したわけではない」と言い、サウジは「科学者の努力は歓迎するが、報告は歓迎できない」などと主張したのです。
しかし、「1.5℃報告書」を巡って紛糾したことは、逆に「1.5℃報告書」を世界の大多数の国が真剣に捉えていることを示したことになりました。
今後の交渉では、「1.5℃」がスタンダードになることも十分に考えられると思います。

世界の石炭火発事業に最多の投資を行う日本企業

COPの会場では、各国の政府や国際機関、自治体、企業、NGPなどが温暖化に関わる様々な発表や報告を行います。
その中に、ドイツなどのNGOが明らかにした「民間銀行・機関投資家による石炭事業投資実態調査報告」があります。この報告では、日本企業が全世界の新設石炭火力発電への貸し付けの3割を融資し、世界最大の国であることが明らかにされました。おもな金融機関を挙げてみましょう。

・みずほフィナンシャルグループ ・・・ 世界1位
・三菱UFJ銀行 ・・・ 世界2位
・三井住友銀行 ・・・ 世界4位

日本は「先進国」の中で温室効果ガスの削減目標が最も低く、しかも、数少ない石炭火発推進国になっています。今年6月には大阪でG20が開催され、気候変動や海洋プラスチックなどのグローバルな課題がテーマに上ります。
COP24のレベルに見合う、エネルギー基本計画の見直しが、早急に求められていると言えるでしょう。

(文責 副理事長・吉田雅人)

 
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