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連載:地球温暖化の「今」と21世紀

地球温暖化の今と21世紀(29)

自然エネルギー100%への胎動

去る9月7日8日、長野県で「地域再生可能エネルギー国際会議2017」が開催されました。
この国際会議は、長野県、環境省、持続可能性をめざす自治体協議会の3組織が主催したもの。
8日には「長野宣言」が採択され、自然エネルギー100%地域を目指して新たな行動を開始することが宣言されました。

http://local-renewables-conference.org/japan/

2015年のパリ協定を受けて、今世界は、自然エネルギー100%に向けた動きを加速しています。
化石燃料による時代から自然エネルギーによる時代へと、大きな転換が始まっているのです。
今回は、そうした世界の主な動向をお伝えしたいと思います。

予想を超えた、自然エネルギー普及の速さ

9月6日に開催された「動き出す100%自然エネルギーイニシアティブ」では、様々な環境団体の予想を超える速さで、太陽光と風力による発電が導入されていると報告されました。(この会議には筆者も参加)
しかも、太陽光と風力発電の価格は、この1年で17%も下落したのです。
確かに、下の資料にもあるように、CO2排出量は、まだ増え続けています。

2016 世界のCO2排出量

しかし、多くの国で自然エネルギーの導入が加速化しているのです。

昨年末に開かれたCOP22(気候変動締約国会議)では、40を超える発展途上国が「気候変動脆弱国連合」を結成し、100%自然エネルギーの達成と、さらに、より強力な気候変動対策を約束しました。

また、CO2排出量の多い国々でも、自然エネルギーの導入が急速に増えています。
下のグラフは、1990年から2016年までの太陽光(左)と風力(右)の発電総量と発電量の多い国を紹介したものです。

太陽光の発電総量と発電量の多い国風力の発電総量と発電量の多い国

2017.09 風力発電量推移 国際会議2017基調報告より

太陽光発電では、わずかながら、日本がドイツを超えたことが分かります。しかし、何といっても、急速に発電量を増やしているのは中国です。中国でも、化石燃料から自然エネルギーへの転換が始まっているのです。

自然エネルギー導入をリードするビジネス界の動き

こうした動きをリードしているのが、ビジネス界。電気とエネルギーは企業にとって大きなコストです。
ですから、いち早く、自社で使う電力の100%を自然エネルギーに切り替えてコストダウンを図り、新しい時代を切り拓こうという考え方です。こうした企業のいくつかを紹介しましょう。

Apple:2016年の自社の電力消費の96%が自然エネルギー由来。2020年には100%を達成する計画です。
下の写真は、AppleのHPで紹介されている新キャンパス。ドーナツ型の天井部分には太陽光パネルが貼られ、全てが太陽光とバイオ燃料によって運営されています。

AppleのHPで紹介されている新キャンパスAppleのHPで紹介されている新キャンパス

イケア(IKEA):イケアも、2020年までに100%自然エネルギー由来の電力に切り替えます。また、自然エネルギープロジェクトにもすでに15億ユーロの予算を充て、更に投資額を増やす計画。下の写真は、100%太陽光発電で運営されている「イケア仙台店」です。

イケア(IKEA)イケア(IKEA)

BMW:BMWグループが全世界で使用している電力の51%が自然エネルギー。同社でも、エネルギーの消費を減らし、自家発電を行って、2020年までに自然エネルギー100%を目指しています。

自然エネルギーのメリット

前掲「動き出す100%自然エネルギーイニシアティブ」で基調報告を行った、デンマークの Lasse Bruun 氏は、自然エネルギー導入のメリットを次のように指摘しました。

1)企業にとって、自然エネルギーへの投資が利点になること
消費者は、化石燃料依存を減らしていく企業こそを評価し、優先するし、財政的にも節減ができる。
また、政府が動き出せば、必ず安定した投資が見込める。

2)自然エネルギーの導入によって、雇用が増えること
2016年には、アメリカで、太陽光発電産業の雇用が石炭産業の雇用を上回った。
新たな、雇用を創りだすことができる。
アメリカで、100万ドルを自然エネルギー関係に投資すると17人の雇用が生まれるが、化石燃料や原発に投資しても5人の雇用しか生まれない。

3)人々の健康に貢献して命を救うこと
アメリカ、中国、ヨーロッパでは微細大気汚染物質で、多くの命が奪われている。2010年には、大気汚染で450万人が死亡したと言われる。
大気汚染以外にも、気候変動に起因する死因もある。自然エネルギーは、命を救う。

化石燃料から自然エネルギーへの転換は歴史的な必然性を持つと言えるでしょう。
経済発展のためにも、いち早い行動が必要です。
日本政府と、企業の奮起を求めたいものです。

(文責 副理事長・吉田雅人)

 
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