環境美術館
星空
特定非営利活動法人
JGK埼玉グリーンプラ事務局
〒331-0054
さいたま市西区島根634番地
TEL:048-623-4063
FAX:048-622-4724
jgk@saitama-greenpla.org
グリーンケロックン
イメージキャラクター
「グリーンケロックン」

連載:地球温暖化の「今」と21世紀

地球温暖化の今と21世紀(27)

「パリ協定離脱表明」でアメリカはどうなる?

米大統領・トランプ氏が6月1日にパリ協定からの離脱を宣言して、1ケ月になります。
世界第2位のCO2排出国でもあるアメリカの動向は、パリ協定を実践して行く上でも大変大きな影響を与えます。
一体、アメリカはこれからどうなっていくのか?
このことは、去る6月12日に開催された「国連気候変動ボン会議報告会in東京」でも、参加者の関心の一つでした。

国連気候変動ボン会議報告会in東京

キャシー・ジェトニル・キジナー

この「報告会」にゲスト参加した、マーシャル諸島の詩人キャシーさんの発言は、参加者に大きな勇気を与えました。
(キャシーさんは、朝日新聞でも紹介されました)
マーシャル諸島共和国は今、高波や浸食によって国が消滅の危機に陥っている島国です。
「トランプ大統領をどう評価しているか?」という質問に、彼女は皮肉たっぷりの批判の後、「でも、アメリカ国内は、トランプ宣言で逆に世論に火がついた。トランプが離脱宣言をする前より、今の方が、気候変動への取り組みは勢いづいている。」と力強く発言したのです。

では、アメリカ国内では、どんな動きが起きているのでしょう?メディアやネットからの情報を整理してみたいと思います。

アメリカ世論の反応

ワシントンポスト世論調査

「離脱宣言」後、いち早く世論調査を行ったのは、ワシントンポストでした。
6月2日~4日にかけて行われた調査では、「離脱に反対」が59%を占め、「離脱を支持する」の28%を大幅に上回りました。

温暖化対策に全力を尽くす姿勢を明らかにした、アメリカIT企業家たち

また、6月3日付けの「ITmedia NEWS」アンカーデスクマガジンでは、主なIT企業のCEO(最高経営責任者)の公式のツウィートが紹介されました。その中の何人かを紹介しましょう。

グーグルスンダー・ピチャイCEO

今日の決定にはがっかりした。Googleはすべての人々のよりクリーンで豊かな未来のために、温暖化対策に懸命に取り組み続ける。

マイクロソフトサティア・ナデラCEO

われわれは気候変動は地球規模の行動を必要とする緊急の問題だと信じている。われわれは今後も自分たちにできることに全力を尽くす。

アップルティム・クックCEO

パリ協定離脱と言う決定は地球にとって間違っている。Appleは気候変動との闘いに全力を尽くし、その方針は揺らがない。

フェイスブックマーク・ザッカーバーグCEO

パリ協定離脱は環境にとっても経済にとっても悪影響があり、子どもたちの未来を危険にさらす。
Fasebookにできることとして、今後建設するすべてのデータセンターは100%再生可能エネルギーで稼働させる。気候変動を止める前に共に行動しなければならない。

経済界が社会に果たす役割を、いち早く宣言しました。日本の経済界にも是非見習ってほしいところです。

We are still in (我々はパリ協定に残る)

そして、6月5日には、「We are still in」(我々はパリ協定に残る)と題した公開書簡が発表されました。
この声明は、「離脱表明」に反対する1200以上の企業・自治体・投資家・教育機関(9つの州知事・123の市長・902の企業と投資家・183大学の学長など)が集まり、緊急に発表されたものです。
これらの組織は、アメリカの約3分の1強にあたる1億2千万人のアメリカ人を代表し、680兆円の経済を生み出していると言います。その声明を紹介します。

ワシントン(連邦政府)からのリーダーシップがないのであれば、米国経済の相当な規模を代表するわれわれ、州・自治体・大学・企業・投資家が積極的な温室効果ガス削減の目標を追求していく。
われわれはともに手をとり、アメリカが削減の世界的リーダーとして踏み止まれるよう、力強く行動していく。

また、この声明とは別に、超党派の17州知事がパリ協定を支持し、そのうち13州知事は協定目標達成に向けた「気候変動同盟」を設立しました。更に、211の市長が、パリ協定の目標達成を目指すと約束しています。

冒頭に紹介したマーシャル諸島の詩人キャシーさんが言ったように、アメリカでは、「トランプが離脱宣言をする前より、今の方が、気候変動への取り組みは勢いづいている」のです。

昨年2016年、世界の自然エネルギー発電は1億6100万KWという記録的な拡大を成し遂げました。
しかも、その投資金額は23%も減少したのです。

もう、化石燃料による経済活動の時代は終わったと言えるでしょう。
今私たちは、産業革命から200年続いてきた「石炭・石油」による経済活動から、自然エネルギーによる経済活動へという、歴史的な大転換を成し遂げる時代にいるのです。
日本にいると、そうした実感は少ないのですが、世界の流れは、後戻りしない力強さで確実に進んでいます。
気候変動では最も遅れた国の一つである日本でも、世界の流れを見極めた動きを創り出していかなければならないと思うのです。

(文責 副理事長・吉田雅人)

 
↑このページの先頭へ
Copyright © JGK Saitama-Greenpla