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連載:地球温暖化の「今」と21世紀

地球温暖化の今と21世紀(21)

世界の流れに背く「火発容認」

去る2月9日、丸川環境大臣は、石炭火力発電所の5ケ所の新設を容認しました。

これは、重大なことです。
何より、昨年末に採択された「パリ協定」の精神に反します。
世界が脱炭素化を目指そうと必死になっている時に、その流れに背くものだと言わざるをえません。

丸川環境大臣は、これまで、石炭火力発電の新設に危機感を表明し、「容認できない」としていました。
石炭火力発電は、現在の発電量でも、2030年の政府目標値を超えてしまう可能性があるからです。

今回、丸川大臣が「容認」した前提には、電力各社を始めとする事業団体が、「2030年度のCO2排出量を13年度比で35%減らす自主目標の達成に向け、加盟各社が削減計画を作成する」(読売新聞)ことを表明したことがあるようです。

しかし、このことで火発の新設を容認することはできないはずです。
理由は、大きく言って2つあります。

第一に、火発業界のいう「CO2排出量の35%削減」は、あくまでも「自主目標」だからです。
必ず達成するという保証はどこにもありません。

第二に、もし仮に「35%目標」を達成できたとしても、火力発電所を新設するならば、今後何十年にもわたってCO2を排出し続けることになるからです。これは、CO2排出をゼロにしてゆくという国際的な取り決め(パリ協定)に反する態度だからです。

日本の石炭火発がどれだけ異常か、過去5年間の「G7 石炭の動向」を見てみましょう。
(2月8日付け・NPO法人気候ネットワークの「声明」より転載)

気温上昇を2度に抑えるには

過去5年間で、これほど石炭火発が急増しているのは日本だけです。
それも際立っているのです。

他の6ケ国では、「計画中止となった石炭火発(灰色表示)」「撤退した石炭火発(青色表示)」「撤退表明された石炭火発(水色表示)」が圧倒的な比率を占めています。
それに対して、日本は・・・「灰色」・「青色」・「水色」の表示が見当たりません。
すべて、「稼働した」か「計画中」なのです。

「パリ協定」を受けて、イギリスは2025年までに全石炭火発の撤廃を決めました。
アメリカでも、いろいろな抵抗を抱えつつも、石炭火発の規制が進められようとしています。
それなのに、日本では石炭火発新設の容認です。

まさに、日本の現状は異様としか言いようがありません。

改めて、昨年末、世界の196の国と地域が採択した「パリ協定」を見てみましょう。
「パリ協定」には法的な拘束力があります。
各国には、パリ協定に沿った野心的な努力が求められているのです。

外務省「パリ協定の概要(仮訳)」より、その中心部分を抜粋します。(太字は筆者による)

【協定の目的等】
この協定は、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追究すること・・・(略)・・・を目的とする。

【緩和(排出削減のための取り組み)】
・締約国は・・・(略)・・・世界の温室効果ガスの排出量が最大(量)に達する時期をできる限り早くするものとし、・・・(略)・・・今世紀後半に人為的な温室効果ガスの排出と吸収源による除去の均衡を達成するために、最新の科学に従って早期の削減を行うことを目的とする。

 ・各締約国は、累次の「貢献」(削減目標・行動)を作成、提出、維持する。また、「貢献」の目的を達成するための国内措置をとる。

本気で「2℃・1.5℃目標」を追求しなければならないのです。
そのために、大胆な国内措置を講じなければならないのです。
私たちの世代だけでなく、なにより子供達や孫達のために、更に何百年先の人類のためにも、
私達は、COP21「パリ協定」の推進に野心的な努力を傾ける必要があるのです。

(文責 副理事長・吉田雅人)

 
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