環境美術館
星空
特定非営利活動法人
JGK埼玉グリーンプラ事務局
〒331-0054
さいたま市西区島根634番地
TEL:048-623-4063
FAX:048-622-4724
jgk@saitama-greenpla.org
グリーンケロックン
イメージキャラクター
「グリーンケロックン」

連載:地球温暖化の「今」と21世紀

地球温暖化の今と21世紀(18)

COP21は、なぜ重要か

11月30日からパリCOP21(気候変動枠組み条約第21回締約国会議)が開催されます。
10月17日現在、150か国がCO2など温室効果ガスの削減目標を提出。世界の排出量の90%を占める国々が対策を打ち出したことは、不十分さがあるとは言え、画期的なことだと言えます。

COPは毎年開催されていますが、今年のCOP21は、かつてないほど重要な意味を持っています。
それは、多くの国から削減目標が提出されたことにも、示されていると思います。
では、今年のCOPは、どんな重要な意味を持っているのでしょう?
筆者の私見で恐縮ですが、「COP」についてご存じない方にも分かるようにお伝えしたいと思います。

私達に残された時間は、あと僅かしかない!

我々は気候変動の影響を実感する最初の世代、そして何らかの対策をとることのできる最後の世代でもある。(2015年8月、オバマ大統領のホワイトハウスでの演説より)

このオバマ氏の言葉に込められているように、人類に残された時間はあと僅かしかありません。
ですから、どうしても今年、効果的な対応を決める必要があるのです。

これまで、温暖化に対して、法的拘束力をもったCO2削減の取り組みは、京都議定書(1997年COP3で採択。2008年~2012年5%削減)の実践でした。そして本来なら、京都議定書の約束期間が終了した2013年以降も、実効性あるCO2の削減がなされる必要がありました。しかし、京都議定書後の新しい「枠組み」をめぐって、世界の合意がなされないまま2015年を迎えているのです。

現在は、EUなど一部の「先進国」が、京都議定書第二約束期間として、2013年以降も削減義務を果たしているだけ。他の国々は、自主的な削減努力に委ねられているのが実情です。
また、今年のCOP21で法的拘束力のある合意が結ばれたとしても、それは2020年以降の実践になります。(COP21で実効性のある合意ができても、各締約国が自国の議会で批准しなければ実践できません。この各国が「批准」手続きをとるだけでも数年かかると言われています)↓

では、私達に許されているCO2の排出量は、あとどれ位なのでしょうか?
気候変動を緩和してゆくための国際的な長期目標は、「産業革命以降の世界平均気温の上昇を2℃未満に抑える」ことです。(この目標は、COP16で明確になりました)

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第一作業部会報告書では、この目標とCO2の累積排出量の関係を次のように示しています。(環境省HPより転載)

気温上昇を2度に抑えるには

66%超の確率で、「2℃未満」に抑えるためには、累積のCO2排出量を約790GtC(ギガトン)以下に制限する必要があるのです。ところが、2011年までに累積された排出CO2は、すでに515GtC。
ですから、残された量は差し引き275GtCということになります。
現状では、1年間に約10GtCのCO2が排出されていますから、このままの排出量を続けるとあと何年で、790GtCに達するのでしょう。

簡単な割り算で計算できます。

275GtC÷10GtC/年=27.5年

あと、27年余で「2℃目標」は限界になるのです。
COP21で、2020年以降の排出量を、どこまで削減できる見通しがたつのか?
COP21の合意から外れてしまう2020年までの排出量はどうなるのか?

こうした状況の中で、年末のCOP21(パリ会議)が開催されます。
ですから、COP21、21世紀の地球環境を決定づけるほどの重要性を持っているのです。

粘り強い交渉経過と科学の進歩とが反映されるCOP21

京都議定書の第一約束期間が終了した後(2013年~)の対応について、本格的な協議が始まったのは2006年のCOP12です。それから今年で10年。締約国が合意に至るには、いくつかの課題がありました。例えば、

  • *京都議定書不参加のアメリカに、どう対応するのか?
  • *京都議定書では削減義務がないが、大幅にCO2の排出量を増やしている中国やインドなどの「途上国」に、どう対応するのか?
  • *新しい「枠組み」に、どのようにして法的な拘束力を持たせたら良いのか?
    (法的拘束力のある「枠組み」だと、アメリカ等の議会で否決され批准できない恐れもあるため、合意文書に削減義務化を盛り込むべきではない、という意見もあります)
  • *各国の削減目標を更に引き上げていくためには、どんな方法が必要なのか?

こうした中、2011年のCOP17(ダーバン)で、やっと、アメリカ・中国を含むすべての国の参加する法的強制力のある枠組みについて交渉していくことが決まったのです。
そして、この新しい「枠組み」を話し合う場として「ダーバンプラットフォーム」が設置されました。

また、2013年~2014年にかけて、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書が公開されたことも各国の行動に大きな影響を与えました。
より科学性を増したIPCC報告書は、今日の気候変動の深刻さを一層明らかにしました。
また、「温暖化の支配的な要因が人為的な温室効果ガスである」ことは95%以上の確率で言える、と謳いました。

こうした粘り強い継続した話し合いと科学の進歩の中で、COP21が開催されるのです。

予断は許されません。「2℃目標」が達成可能な所まで削減目標を煮詰め、拘束力ある合意を図っていくことは並大抵なことではありません。
残念なことに、日本国内の取り組みは大きく遅れ、下手をすると世界の足を引っ張ることにもなりかねない状況です。(石炭火力発電を国内外に広げる姿勢が、世界中から疑問視されています)

COP21まで、あと1か月
子ども達の生きていく時代を、何としても守り抜きたいものです。

(文責 副理事長・吉田雅人)

 
↑このページの先頭へ
Copyright © JGK Saitama-Greenpla