環境美術館
星空
特定非営利活動法人
JGK埼玉グリーンプラ事務局
〒331-0054
さいたま市西区島根634番地
TEL:048-623-4063
FAX:048-622-4724
jgk@saitama-greenpla.org
グリーンケロックン
イメージキャラクター
「グリーンケロックン」

連載:地球温暖化の「今」と21世紀

地球温暖化の今と21世紀(16)

化石燃料からの転換

去る8月3日、オバマ大統領は国内の石炭火力発電所のCO2排出量を、(2005年比で)2030年までに32%削減するという目標を発表しました。

アメリカはすでに温室効果ガス排出量を(2005年比で)2025年までに26~28%削減する計画を提出していますから、今回の石炭火力発電への規制強化は、この目標を達成する大きな手立てだといえるでしょう。

温室効果ガスの排出を削減するためには、「化石燃料からの転換」という施策がとても重要です。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、「温室効果ガスの削減対策」として、世界各国に対して、次のような方策を紹介しています。

温室効果ガスの削減対策

「再生可能エネルギー源と気候変動緩和に関する特別報告書」(2011年)より
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/sr/srren.pdf(PDF)

温室効果ガスの発生を発電部門で規制するという対策がなければ、いくら「CO2削減」を叫んだとしても、それはスローガンだけに終わってしまうのかもしれません。
それだけに、冒頭に紹介したオバマ政権の石炭火力発電への規制強化は、大変意義あることだと言えるでしょう。

「環境保護局」(アメリカ)の働き

アメリカでは、1970年代に「環境保護局(EPA)」という機関が設置されました。
長官は大統領の任命で、オバマ政権に代わってからは、大変積極的な役割を果たしています。

エネルギー構成比較

左は、2013年のエネルギー構成を、2000年のものと比べてみたものです。

石炭への規制強化と、再生可能エネルギー、および天然ガスへの方向転換が見てとれます。
(天然ガスも化石燃料ですが、CO2の排出は石炭よりもずっと少なくなります)

更に昨年6月、EPAは、石炭火力発電からのCO2排出に対し、
「2030年までに30%削減」という目標を掲げ、各州ごとの目標も設定しました。
また、州がそれぞれの目標を達成できるように計画のガイドラインも提示しています。

今回の「石炭規制」も、このEPAが進めてきたものを更に強化した内容になっています。
もちろん、石炭業界や石炭産出州などからの反発も大きいようなのですが、「地球温暖化」に対応していく上では避けて通れない課題です。今後のアメリカの動きに大いに注目していく必要がありそうです。

日本の「化石燃料」対策

では、「化石燃料」に対する日本政府の対応はどうなのでしょうか?
日本政府は去る7月17日、やっと正式に国連に温室効果ガス削減目標を提出しました。

日本の約束草案」 http://www.env.go.jp/press/files/jp/27581.pdf (PDF)

その目標は、以前から「案」として示されていたものと同じで、
「(2013年度比で)2030年度にマイナス26%の水準にする」という内容でした。

この「約束草案」には、「温室効果ガス削減目標積み上げに用いたエネルギーミックス」という標題で、
2030年のエネルギー構成が示されています。
これが、「2030年にマイナス26%」という目標を根拠づけています。その表を下に抜粋します。

エネルギーミックス

では、日本のエネルギー構成はどのように推移していくのでしょう?
下に「2010年」(福島原発事故以前)、「2013年」、「2030年目標」を並べてみました。

(2030年の数値は、目標に幅のある場合、その中間値で示した)

日本のエネルギー構成推移

「2013年」は、原発事故後の「仮の姿」のようです。
原発再稼働までは天然ガスと石油に頼り、原発再稼働によってあるべき方向を目指してゆく・・・という印象を受けます。

「石炭火力発電」は、アメリカだけでなく、国際的にも規制強化が叫ばれています。ところが日本では、その「石炭」に依存する傾向が、2010年頃よりも強まっていくようです。新規の石炭火力発電所計画も進んでいます。
また、同じ化石燃料でも、石炭よりCO2排出量の少ない天然ガス(LNG)は、2013年よりも、2010年よりも、更に少なくなっていきます。

原発に賛成するという世論は少ないのですから、ここはやはり再生可能エネルギーをもっと野心的に中軸に据える必要があるのではないでしょうか。(再生可能エネルギーについては後日書きたいと思っています。)

今、国連では、各国の提出した「温室効果ガス削減目標」を公開し、各国の目標に対しての評価が行われ、さらに高い目標に引き上げるための努力がなされているはずです。
日本の目標が、国際世論に晒されてどのような評価を受けていくのか・・・ここにも注目していく必要があります。

石炭火力発電の規制を発表した8月3日、オバマ大統領はホワイトハウスの演説で次のようなフレーズを発しました。

「我々は気候変動の影響を実感する最初の世代、
そして何らかの対策をとることのできる最後の世代でもある。」
「地球は1つだけだ。プランBはない。」
「規制策を実施し、子どもたちにより良い将来を残す時だ。」

同感です。
日本も、世界の動きに呼応して大胆な行動を提起していくべきでしょう。

(文責 副理事長・吉田雅人)

 
↑このページの先頭へ
Copyright © JGK Saitama-Greenpla