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連載:地球環境とプラスチック

地球環境とプラスチック(8)

急がれる「海洋プラスチック」への対応

6月上旬にカナダで開催されたG7で、日米両国は、「海洋プラスチック憲章」に署名しませんでした。
これに対しては、環境団体から批判の声があがっています。

・環境団体JEANの代表理事
海から恩恵を享受している日本は、プラスチックごみ問題に率先して対応する必要がある。長年政府と連携して削減に取り組んできた立場として理解できない。

・環境団体グリーンピースの声明より
日米が署名しなかったのは恥ずべきこと。必要なのは業界の自主規制ではなく、使い捨てプラスチックの禁止。

プラスチックごみへの国際的取り組みは急務

この数年、世界各国ではプラスチックごみを削減する取り組みが急速に進んできています。
例えば、5月28日には、ヨーロッパ連合(EU)が、海洋汚染を広げている使い捨てプラスチック製品の禁止を提案しました。

禁止の対象は、次の2つに大別できるようです。
一つは、1回使っただけで捨てられるスプーン、ストロー、フォークなど。
もう一つは、飲み物容器で、開けた後にキャップが分離してしまう物。つまり、容器とキャップが分離しないものだけが販売できるようになるわけです。
さらに、この「提案」では、2025年までに飲料用ペットボトルの90%を回収することが義務付けられています。

海洋プラスチックは、今、国際的な取り組みが急がれている重要な環境問題になっているのです。
右の映像は、5月28日に、タイで発見された弱ったクジラ。
ポリ袋を5枚吐き出した末に死亡しました。
解剖の結果、胃からは80枚以上8kgのポリ袋が出てきたとのことです。

専門家によれば、「1枚飲み込んで弱り、エサを探せなくなって、何でも良いから食べようとして何枚も口に入れてしまったのではないか」とのこと。
タイでは、クジラの死をきっかけに、ポリ袋の利用を見直す動きも出ています。

また、5ミリ以下の小さなマイクロプラスチック(MP)も大きな問題になっています。
海岸に打ち寄せられたプラスチックごみが劣化して細かく砕けたり、歯磨きや洗顔料に含まれていることのある「マイクロビーズ」というMPが流入したりして増え続けています。MPには有害な化学物質が付着しやすく、そのまま魚の体内に取り込まれるため、生態系への影響が強く懸念されています。
このままでいくと、2050年までに、海洋プラスチックの重量が、魚の全重量を上回るとも言われているのです。

日本は、なぜ海洋プラスチック憲章に署名しなかったのか?

日本が「海洋プラスチック憲章」に署名しなかった理由は、「プラスチックごみを減らしていく趣旨には当然、賛成しているが、国内法が整備されておらず、社会にどの程度影響を与えるか現段階でわからないので署名ができなかった」というものです。

では、肝心の「海洋プラスチック憲章」のおもな内容とは、

*2030年までに、プラスチック製品を全て、再利用可能あるいはリサイクル可能、またどうしても再利用やリサイクル不可能な場合は、熱資源利用等の他の用途への活用に転換する。

*不必要な使い捨てプラスチック用品を著しく削減し、プラスチック代替品の環境インパクトも考慮する。

*2030年までに、可能な製品について、プラスチック用品の再生素材利用率を50%以上に上げる。

*プラスチック容器の再利用またはリサイクル率を2030年までに55%以上、2040年までに100%に上げる。

こうした内容に、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの5ケ国とEUは、署名しました。
こうした国々では、先にも述べたように、プラスチックごみへの対策をすでに積極的に進めているのです。

実は、G7でも、2015年ドイツのエルマウサミットで、海洋プラスチックに対する行動プランが立てられました。2016年、2017年のG7でも再確認されてきました。
更に2016年には、国連開発計画(UNEP)からも詳しい報告書が発行されています。
ですから、EUなどではすでに取り組みが進んでおり、その上に立って、プラスチックを大規模に規制する法案が審議されているのです。

ここに来て、日本が「国内法が整備されておらず、社会にどの程度影響を与えるか現段階でわからない」というのであれば、今まで、何をしてきたのですか?と批判されても仕方ありません。

地球温暖化でも、世界の潮流になっている自然エネルギーの流れに乗り遅れ、海洋プラスチックでも、世界の潮流に乗り遅れようというのでしょうか?

6月21日には、政府がプラスチック製品の削減や再利用、リサイクルを徹底する総合的な戦略づくりに乗り出す、と報道されました。
しかし、「日本では、事業者に廃プラスチックなどの排出抑制を求める海岸漂着物処理推進法が今国会で成立した。だが、規制ではなく努力義務にとどまる。」(6/21朝日新聞)ということです。

日本でも、一日も早い、法律の整備と、プラスチックに代わる生分解性プラスチック等の普及が急がれているのだと思います。

(文責・副理事長・吉田雅人)

 
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