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連載:地球環境とプラスチック

地球環境とプラスチック(6)

世界最深部の海底生物から高濃度のPCB

地球環境とプラスチック(1)
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地球環境とプラスチック(5)

2017年2月13日、イギリスの科学誌にショッキングな研究結果が発表されました。

太平洋のマリアナ海溝

地球上で最も人里はなれた太平洋のマリアナ海溝には、汚染の進んでいることで有名な中国の河川以上に、汚染物質が蓄積されているというのです。

研究チームを率いたアラン・ジェイミソン氏は、次のような警告を発しています。

深海には、人類の影響を受けることなく、隔絶された聖域が広がっていると考えがちだ。
だが悲しいことに、今回の研究結果は、この考えが真実からほど遠いことを示すものとなるだろう。
これほど高濃度の汚染物質が検出されたということは、いかに人類が地球環境へ深刻なかつ長期的なダメージを与えているのかを、改めて思い知らせるものとなる。

深海10000mに生息するヨコエビから高濃度PCB

ヨコエビ

今回の研究は、北太平洋にあるマリアナ海溝の深さ7800m~10000mでヨコエビ(写真参照)2種を採取して調べたもの。
採取したすべてのヨコエビからPCB(ポリ塩化ビフェニール)が検出されました。

世界で最も深い海底の生物まで化学物質に汚染していたことだけでもショッキングなのですが、その濃度には、科学者からも驚きの声が上がっています。なんと、中国で最も汚染の進んでいる遼河(りょうが)流域の水田に棲むカニの、50倍もの高濃度だったのです。

PCBは、癌やホルモンの混乱を引き起こす有害化学物質として知られています。
そのため、日本では、1975年に製造・輸入が禁止になり、国際的にも2001年にPOPS条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)が結ばれ、2028年までに全廃することが決められています。

なぜ、世界最深部の生物が?

検出されたPCBは、1930年代~1970年代に地球全体で約130万トン生産されました。そして、その一部が、事故や廃棄、埋め立て地からの流出などによって環境に放出されたのです。

太平洋ゴミベルト

マリアナ海溝に到達したPCBの源は、太平洋北西部の産業地帯である可能性が高いと言われています。
この地帯の近くには「太平洋ゴミベルト」があります。
北太平洋の海流などの影響で特に浮遊プラスチックが多く滞留している地帯です。(右図参照)

この「太平洋ゴミベルト」のプラスチックがPCBを付着し、小片になって海底に沈み、蓄積していったことが大きな原因ではないか、と考えられています。
海溝に蓄積されると、ここに流れ込んでくる海水は多くはないため、化学物質は分散せずに存在し続けることになるのです。

今回の研究結果は、マイクロプラスチックによって、海洋汚染が底知れないレベルにまで進んでしまっていることを示しています。
国際的な海洋プラスチック対策は、喫緊の課題と言えるでしょう。

(文責・副理事長・吉田雅人)

 
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