環境美術館
星空
特定非営利活動法人
JGK埼玉グリーンプラ事務局
〒331-0054
さいたま市西区島根634番地
TEL:048-623-4063
FAX:048-622-4724
jgk@saitama-greenpla.org
グリーンケロックン
イメージキャラクター
「グリーンケロックン」

連載:地球環境とプラスチック

地球環境とプラスチック(3)

新たな地球環境問題=「マイクロプラスチック」

地球環境とプラスチック(1)
地球環境とプラスチック(2)

昨年開催されたG7・エルマウサミットの宣言文の中に、次のような一節があります。

我々は,海洋及び沿岸の生物と生態系に直接影響し,潜在的には人間の健康にも影響し得る海洋ごみ,特にプラスチックごみが世界的課題を提起していることを認識する。したがって,海洋ごみ問題に対処し,この動きを世界的なものとするため,より効果的で強化された取組が求められる。G7は,陸域及び海域に由来する海洋ごみの発生源対策,海洋ごみの回収・処理活動並びに教育,研究及び啓発活動の必要性を強調しつつ,附属書に示された,海洋ごみ問題に対処する上で優先度の高い活動と解決策にコミットする。(下線は筆者による)

海洋ゴミ、特にプラスチックごみが世界的課題を提起している」のです。
CO2の急増によって、海水温の上昇や、酸性化が深刻な状況になっている上に、更に「プラスチック汚染」。海の環境は、踏んだり蹴ったりです。

60年代に浮上した、プラスチックによる生物被害

ミズウオ

左の写真はミズウオ。駿河湾などの深海に生息する魚です。
1964年、多くのミズウオが、プラスチック片を飲み込んでいると、報告されました。
ミズウオは、深海性の魚です。海底に沈んだプラスチックを餌と間違えて飲み込んだものと考えられています。
そして、この頃から、世界中で、プラスチックによる生物被害が報告され始めたのです。それは、「プラスチック」が大量に生産され、使用される時代の幕開けでもありました。

今日のプラスチック海洋汚染

浮遊ゴミ

国連環境計画(UNEP)によると、海洋に流出するプラスチックの量は年々増加。プラスチックを飲み込んだことが原因で、毎年100万羽以上の海鳥と10万頭以上の海洋哺乳類が死んでいると報告されています。
また、このまま海洋に流出するプラスチックが増え続けると、2050年には、なんと、海に流出するプラスチックの量が、海に生息している魚の量を上回るという予測もあります。

しかし、問題は、流出するプラスチックの量だけではありません。 食物連鎖を通して、海洋生態系に恐ろしい影響を与えているのではないか、と危惧されているプラスチックがあります。
それが、マイクロプラスチック。直径5mm以下の微細なプラスチックです。
(「マイクロプラスチック」が定義づけられたのが2007年。近年、新たな地球環境問題として取り上げられるようになりました。)

そんなに小さなプラスチックが、どうして海洋生態系の脅威となっているのでしょう?

プラスチックは分解しづらいので、小魚がそれを多量に食べれば、消化不良で死んでしまうことも考えられます。しかし、ことは、それに留まりません。
海に流出したマイクロプラスチックには、海中の有害化学物質を吸着する性質があるからです。

プラスチックは、油に溶けやすい化学物質であれば、何でも吸着します。

有害化学物質を吸着したマイクロプラスチックは、プランクトンも体内に取り込むことができます。
プランクトンを小魚が食べ、その小魚を次の魚が食べ、食物連鎖によって濃縮された有害物質は、海洋生態系に影響を与え、更には人間にも影響を与えかねないと危惧されているのです。

また、プラスチックは、海底に堆積している「過去の有害物質」を、再び海中に呼び戻す役割もします。例えば、海底には、半世紀も前に使われていたPCBのような有害物質も堆積しています。 プラスチックが、1回海底まで沈み、海底で「眠っていた」PCBを吸着して、再び、海の表面まで復活させるというようなことも起こるのです。

人類が地球環境に与えている負荷には、計り知れないものがあります。
これからも、「新たな地球環境問題」=「マイクロプラスチック」について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

(文責・副理事長・吉田雅人)

地球環境とプラスチック(4)
地球環境とプラスチック(5)

 
↑このページの先頭へ
Copyright © JGK Saitama-Greenpla