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連載:地球環境とプラスチック

地球環境とプラスチック(14)

2019/7/1

廃プラ輸入を巡るアジアと世界の動き

「プラスチック」関係のニュースが、毎日のように報道されています。
特にアジア諸国では、廃プラをどうするかということが最重要の環境問題として扱われているようです。
G20にも、こうした状況が反映されました。

環境省が異例の通知・・・産業廃棄物の廃プラを、自治体の焼却場で処理して欲しい

こうした、世界の動向の中で、去る5月20日、日本の環境省は各都道府県と政令市に、廃プラ処理の円滑化を求める「通知」を出しました。

廃プラスチック類等に係る処理の円滑化等について
https://www.env.go.jp/recycle/pura_tuti_R10520.pdf
分かりやすく言えば、「企業や店から出る廃プラを、家庭ごみを処理する自治体の焼却場で燃やして欲しい」というお願いです。しかも、協力した自治体には交付金まで出す、というものです。
家庭から出るごみは「一般廃棄物」として自治体が回収しますが、企業や事業所から出る「産業廃棄物」は産廃業者に依頼して別のルートで処理しています。
ところが今回の「通知」は、産業廃棄物として出る廃プラを、「別のルート」ではなく、自治体の焼却場で燃やして欲しい、というものですから、驚きです。
プラスチックの「焼却処理」は確実にCO2を排出しますから、それだけても問題ですが、こうした異例の施策を打ち出した背景には、アジアと世界の急速な動きがあると思われます。

廃プラの輸入規制は、世界の動向

2018年1月からは中国が資源ごみの輸入を禁止しました。
それまで、中国への輸出頼みだった日本の廃プラは、東南アジア諸国に向けられました。

日本のプラスチックくずの輸出量

環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」より転載

上のグラフからも、中国に輸出できなくなった分を他の国々に輸出していることが伺われます。
2018年11月までの廃プラ輸出量を国別に見ると、1位:アメリカ(16.5%)、2位:日本(15.3%)、3位ドイツ(12.6%)となっています。日本だけだなく、アメリカも含めた「先進国」の廃プラが東南アジア諸国に向けられたのです。
その結果、中国に代わりマレーシアが世界1の廃プラ輸入国に化しました。
下表は、マレーシアの廃プラ輸入量の推移を国別に表したものです。

マレーシアにおける廃プラスチックの国・地域別輸入金額

日本貿易振興機構「行き場を失いつつある廃プラスチックの行方は?」より転載

2016年から2018年の間に、アメリカからは4.2倍、日本からも2.6倍に輸入量が増え、マレーシア全体では2.7倍に急増したのです。
こうした背景のもと、マレーシア国内では今、深刻な環境汚染に懸念が高まっていると報道されています。例えば、274の廃プラの処理工場のうち、109が違法に操業していたといわれます。そこでマレーシア政府は、新たな輸入許可認可基準に基づいて、2018年10月から業者に再申請を求めました。しかし、2019年1月段階で、19の企業が申請しましたが、承認はゼロ。
こうした経緯で、マレーシアでは2018年の後半からは廃プラ輸入量が激減したそうです。

アジアだけではありません。今、世界は廃プラの輸出規制に大きく転換しようと動き出しています。
去る5月11日、有害物質の国境を越えた移動を規制する「バーゼル条約」の締約国会議で、条約の付属書を改正することが決まりました。改正の趣旨は、リサイクル資源として扱われる汚れた廃プラは、輸入国政府の同意がなければ輸出できない、というもの。2021年1月に発効します。この条約には180を超える国が加盟していますから、これは全世界の大きな流れになっていくと考えられます。
これからは、廃プラを海外に輸出できなくなると考えるべきでしょう。
また、温暖化対策の視点からも、廃プラの焼却処理は根本から見直さなければならないでしょう。
海洋プラスチックに端を発した「プラスチック問題」は今、私達の暮らしを見直すことも含めて、世界と連携した取り組みがますます急がれる課題となってきています。

(文責 副理事長・吉田雅人)

 
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