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活動報告

事務局ニュース

4度目の南相馬市訪問(平成27年10月31日~11月1日)(その2)

避難指示区域の概念図

10月31日~11月1日、私達NPO法人・JGK埼玉グリーンプラの4人(内舘、吉田、橋本、阿部)は、福島県南相馬市を訪問しました。今年で4回目の「視察ツアー」。
先月に引き続き、その後半をご紹介します。

4度目の南相馬市訪問(その1)

私達は、常磐道広野インターで降り、「避難指示区域」を南から北に進み、第一原発の横を通って南相馬市に向かいました。

午前中はおもに双葉郡を視察。
そして、浪江町から南相馬市に入ります。
昼食は南相馬市に入ってからとることしました。

南相馬市

南相馬市は、南から小高区原町区鹿島区の3区で構成され、福島を代表する穀倉地帯です。

この時期、国道の両側には、刈り入れの終わった田が広がっていた筈です。
しかし、今ではセイタカアワダチソウが伸び放題。
津波だけでなく、放射能被害は地元の多くの住民の生業をも奪ったのです。

私達は、毎回立ち寄っている崩壊家屋が今年はどうなっているのか知りたくて、原町区のその場所に向かいました。

毎回立ち寄っている崩壊家屋

あの家は、撤去されていました。でも、まわりには、崩壊した家が何軒も残っています。
ここも、撤去された更地と未撤去の家とが隣り合わせ。浜通りの復興状況を象徴しているかのようです。
時間は1時を回りました。

私達は、たまたま、国道沿いにあった食堂に入ることにしました。昨年は、営業していなかった店です。
幸運なことに、この店では地元の新米を使用。私達は地元農家の苦心の末に収穫された新米を口にすることができました。なかなか美味なコメでした。

国道沿いにあった食堂

それに、料理の内容も豪華で、量も大盛り。私が注文したのは「ホタテフライ」なのですが、大きなエビフライまで出てきてビックリ。きっと、お腹をすかせた作業員の方達のために提供するからなのだろうと思います。

実は、私達が南相馬の新米を食べることにこだわっていたのには訳があります。

昨年までは、稲作を自粛した農家に、東京電力から「自粛賠償」が支払われていたのですが、「避難指示解除準備地域」以外については、この賠償金が打ち切られたのです。原町区鹿島区の殆どの農家が、これに該当します。
本来なら、賠償金が出なくなればコメ作りに挑戦するのでしょうが、放射能被害の影響は、そう簡単にはぬぐえません。

昨年の検査の結果、放射性セシウムの基準値を超えるコメはなかったのにもかかわらず、風評被害は大きく、売値は下がりました。ですから、今年の作付け面積は、全体のおよそ2割前後だと言われています。(河北新報)
しかも、風評への懸念のため、多くは飼料用に充てられているのです。
私達が口にしたコメは、そうした中で出荷された物なのです。農家の方々のご苦労を想いながら、ありがたく戴きました。

腹ごしらえをした私達は、ここも毎回訪れている鹿島区の海岸へ。

田の様子

防波堤の様子

海沿いの道路は、新しい防波堤に姿を変えつつありました。
しかし、その奥に目を転じると、ススキとセイタカアワダチソウの荒野です。この「荒野」には、太陽光発電パネルや防風林などができる計画です。少しずつ前進してはいますが、まだまだ時間がかかりそうです。

小さな塔婆

ふと足元を見ると、小さな塔婆が。
どなたの想いかは知る由もありませんが、
この地がどのように変わろうとも、ずうっとここに残してあげたいものです。

物産館「四季彩」

海岸で暫く時間を過ごした私達は、地元の物産館「四季彩」に向かいました。ここの理事長・桑折さんとは、もう馴染みです。

店頭には会津米と相馬米が置いてあり、店内の野菜も秋野菜が加わり、品数は昨年よりも多彩。

土産をいっぱい買い込み、桑折さんに「来年は南相馬のコメを取り置いておいて欲しい」と頼んでこの物産館を後にしました。

鹿島区の社会福祉協議会

最後に尋ねたのは、鹿島区社会福祉協議会(以後「社協」)でした。

ここの社協とは、4年のお付き合いがあります。
鹿島区にある仮設住宅の方々にボランティアで関わった折に、いろいろとお世話になったのです。

社協職員や、仮設住宅相談員の方から、仮設住宅の実情を伺いました。

・南相馬市にある仮設住宅は、3300戸。
今年7月末の入居戸数は2546戸。
77%の方が、4年半もの間、仮設住宅で生活していらっしゃいます。

・相談員の方の話によると、どの家も結露によって発生したカビがひどく、特に黒カビは健康にも影響するので、 業者が改装することになったとのこと。

・また、仮設住宅への入居は一応来年春までになっていて、それ以降の見通しがたたない状態とのことでした。

短時間での交流を終え、私達は暗くならないうちに郡山に向かいました。郡山で1泊し、翌1日に帰る計画です。
帰る途中に会津に回り、五色沼を歩いてから帰路に就きました。

五色沼

これで4回目の「南相馬視察」。
来るたびに、一歩ずつ復興に向けて前進していることを実感します。
しかし、誤解を恐れずに言うと、その「前進」によって、「新たな課題」が現実化していることも、また実感です。

・除染が進めば進むほど、仮置場・中間貯蔵施設・最終処分場の必要性が高まるのに、その保証が難しい現実。

・コメの作付けの自粛が解かれて営業再開しようと思うと、風評被害に直面する現実。

・避難指示が解除されて我が家に帰りたくても、社会インフラの不十分性や放射能被害の不安から帰れない現実。

どれも、解決が難しい課題ばかりです。
4年半たって、ますます放射能被害の大きさと深さとを痛感させられます。
私達にできることの第一は、「福島」の今を見続けることなのかも知れません。

(文責 副理事長・吉田雅人)

 
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